こんにちは。norikoです。みなさんは聞いた事ありますか?ティアハイムって。私は今回保護施設について調べていたところ、その過程でこの名前を知りました。
Tier heim (ティアハイム)ドイツ語
動物=tier ( ティア)
家=heim (ハイム) で
動物保護施設の意味です。
代表的なのが、ペット先進国としてよく知られているドイツのベルリンにある、「ティアハイム・ベルリン」です。
目次
ティアハイム・ベルリンとは
ベルリン動物保護協会(民間)が設置・運営している動物保護施設です。
ヨーロッパでは最も大きな施設で、その大きさは18,5万㎡あります。と言われてもよく分かりませんよね。(^-^)
よく大きさで例えられる東京ドームで言うと、ドーム約4個弱分にあたります。
(東京ドームの面積は46,755㎡あります)
緑豊かで水が豊富な公園のような素晴らしい施設。
この広大な施設の中にはそれぞれの動物たちの生活環境に合った棟が作られています。
「 犬 棟 」
犬を引き取った時にその犬が噛み癖があったり、吠え癖があるとそれを直すようにするための訓練や、躾の為の取り組みを行っています。
また、犬は仲間と接触をもつ習性があり犬にとってそれがとても大切であることから、個室からそれぞれ顔を会わせられるような設計をして、飼育の為最低でも6㎡以上の広さが確保されています。
犬達の部屋にはそれぞれを紹介するカードが貼られていて、名前や生年月日、顔写真や犬の特徴など、訪れた人たちが解りやすく、より、その犬に親しみを覚えるように書かれています。
「 猫 棟 」
猫棟では様々な種類の猫たちが、開放的にケージで飼われています。
清潔で臭いもなくキャットタワー・爪とぎなど猫の生活に必要な物が設置されていて、外からはガラス張りになっているので、訪れる人たちも楽しめるようになっています。
病気の猫たちは、別の部屋で手当てを受け療養します。
10歳以上の猫たちが収容されている「シニア猫棟」もあるんですよ。
そして、各ケージには犬同様に、その子の名前・誕生日・保護された理由等が書かれている自己紹介のカードが貼ってあります。
施設のねこちゃんを見に来た人たちが、よりねこちゃんたちを身近に感じる事で、譲渡にもつながるのかもしれませんね。
また、野良猫だった子たちの棟もあり、広い草むらでまとめて飼育されていて、それぞれが好きな場所で好きなように遊び、好きなように丸くなって寝ているという、なんとも緩やかに暮らしているようです。
馬やミニブタ・羊(家畜として飼われていた)もいます。広い牧草地や土の上でゆったりと過ごしています。
イグアナ・ヘビ・カメ・うさぎ・鳥・リス などの保護棟もあります。
それぞれ十分な大きさのケージがあって、生活スタイルに則した環境が造られています。
ティアハイムの役割は
主な取り組みとしては動物の保護と譲渡を行っています。
劣悪な環境下での飼育や、飼育放棄、虐待、飼い主死亡、または引っ越しなどで手放された動物たちを保護して、病気やけがなどを負っている子は獣医師や動物看護士などによって治療を施し、悪い癖がついている子や、人を恐れている子、人慣れしていない子等はスタッフがしつけをし、譲渡可能な状態にしていきます。
このティアハイムに携わる従業員は約140名。
他にボランティアが600名いるそうです。その方たちが従業員を手助けして犬の散歩をしたり、広報活動や、また、譲渡された動物たちの家を訪ねたりしています。
病気の動物達を収容する病院もあり、そこには獣医師と看護師がそれぞれ10名程従事しています。
収容期間も長くは半月から1か月程度は可能になっています。
譲渡率は
犬猫を含む動物たちの保護数は、Ⅰ年間で約1万頭の引き取りがあります。
引っ越しや飼い主の死亡による理由は約6割で、残りの4割は飼い主が分からない子や、ネグレクト(飼育放棄)劣悪な環境下の飼育の末、という理由だそうです。
しかし、その譲渡率はなんと9割超だといいます。
これには、ドイツではペットショップがないので、ブリーダーか、ティアハイム、あるいは知人などから引き取るという方法の為ではないかと思われますね。素晴らしいですよね。
譲渡の際の基準も厳しいのです。
犬や猫を引き取る場合、飼育環境の審査があります。
〇 仕事で1日8時間以上家を留守にしないか?
〇 家族に動物が嫌いな人はいないか?
〇 動物アレルギーの人はいないか?
など、動物と暮らすための住環境や、犬の場合特に長時間ひとりで過ごすと不安に陥るために、仕事などで家を空ける時間などを調べられます。
その結果、家族の中にひとりでも動物が嫌いな人がいる場合や、8時間以上留守にする場合等は、譲渡はされません。
動物は物ではないので、軽々しく譲渡するような事はしません。
これは安易な譲渡により、無責任な飼育や虐待を防ぐためでもあると思います。
ティアハイムの運営費は
これだけ広大な敷地で、なおかつ快適な環境を維持運営している資金はどのように賄われているのでしょうか。
実は、ほとんどが寄付なのです。
市民や企業などからの寄付で、一部獣医局と呼ばれる行政組織があるのですが、その獣医局が押収した動物に関して、保管を委託するための料金としてティアハイムに支払われているお金があります。
でも、いつまでも保管出来るわけではありませんよね。
期間が過ぎた動物たちはティアハイムでその不足分の負担をします。
こうしてほとんど寄付で賄われているという理由には、市民の動物愛護に関する意識が高いためだと思います。
ティアハイムの運営に置いての殺処分とは
ドイツの愛護連盟は、基本的に殺処分をしてはならないという方針が定められています。
ただし、以下の場合に関してはその限りではありません。
〇 治る見込みのないケガや病気で、動物が苦しんでいる場合殺処分が必須である。 との定めがあります。 この場合の殺処分とは安楽死を指します。
獣医師の判断の元、苦しみを取り除くという観点から安楽死を選択することがあります。
まとめ
ドイツベルリンの、「ティアハイム・ベルリン」について書いてみました。
いかがでしたか?(*^^*) 素晴らしい施設ですね。
でも、一番素晴らしいのはこの施設を支えてくれる市民の意識ですね。
動物に対して物ではない寄り添い、共に歩く存在であるという意識の高さが、このような施設を作り上げたのかもしれないと思いました。
もしも今、天国にいる動物たちが、今度生まれるならどの国がいい?って聞かれると、ドイツ!って答えるかも・・・しれませんね。(^^ゞ
日本って答えは、果たしてどれくらいあるでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。
記事の出典元 時事ドットコムニュースより https://www.jiji.com/jc/v4?id=2013tierheim_berlin0004