今回はうちの三番目の子あやちゃんの夢についてです。
☜この子があやちゃんです。
生後3か月でうちの子になり
僅か1歳と3ヶ月で天国へ逝きました。
とてもかわいいねこちゃんでしょ(^-^)
我慢強くて賢くてやさしい女の子でしたよ。
そうして、夢の中であやちゃんは私にキセキを見せてくれました。
たった一年しか一緒にいられなかったけれど、あやちゃんはしっかりとこの家の中で足跡を残し、しっかりと私の心の中にその姿を残してくれました。
目次
あやちゃんとの出会い
あやちゃんは我が家に来た3番目の子です。
知り合いに子猫がいるよと聞きすぐに向かった先は、食堂の換気扇の下でした。
体も汚れていて、目やにやよだれが出ていて一目で弱っているなと感じる子でした。
すぐに家へ連れて帰り体を洗いました、
一度では汚れが落ちずに3度洗いました。
きれいな白に所々にグレーの毛色が現れて、汚れていた顔もキレイになり、かわいらしかった。でも体はとても痩せていてか細い手肢が痛々しい程でした。
食欲は少しですが猫缶を食べて、その日はただただジッとストーブの前に座っていました。
一度も鳴かないのでおかしいな、元気が無いな、どこか悪いのかもしれないなと思いました。
子猫なのに、鳴くこともせず、遊ぶこともなくジッとしている様子がやはり何かあるのだろうなと予想が出来ました。
あやちゃんとの出会いはそうして始まり、不安を覚えながらも猫ちゃんがもう一人増えたという喜びを感じながら一日目が過ぎて行きました。
あやちゃんの病気
次の日の朝病院へ行って健康チェックを受けて来ました。
血液検査をして待つこと30分余り。
その結果は・・・「猫エイズと白血病」に感染しているという事でした。
「それは・・・どうすればいいんですか?」と先生に聞いてみましたが「難しいですね・・・両方の病気に感染しているので・・貧血の症状も出ています。対処療法で様子を見ていきましょう」
長くは生きられない状態であることを先生は直接口にはしなかったのですが、治療の最後に「大事にしてあげてくださいね」という言葉がこの先に訪れる日の事を物語っていて、何とも言えない気持ちでした。
こんなに小さいのに・・あやちゃんがかわいそうで、しかたなかった・・・
それからはネットで同じような症状の猫ちゃんがいるというサイトを見つけて、漢方薬での治療をすることにしたのです。
先生も漢方を用いるのはいいですよと言ってくれました。
毎朝緑色の液体を飲むのにあやちゃんは嫌がって、口を真一文字に結んでじっと私をみていました。「飲みません!」「イヤです!」って感じでしっかり意思表示していましたね。
でも、飲んでほしい私は「あやちゃん、これを飲まないと良くならないんだよ」「我慢してのんでくれる?」「元気になってたくちゃんと遊ぼうね」声を掛け目を見て訴えました。
その間あやちゃんはじ~っと私の話を聞きながら私を見ていて、そのあとゆっくりと薬を口に運ぶといやいやながらも飲んでくれるのです。
おいしくないのでしょうね。飲みながら口の端っこから緑の液体がこぼれてきて、あやちゃんの首の辺りの白い毛が緑色になっていくんです。
それでも、喉を軽く撫でてあげるとゴクッっと音を出しながら飲み込んでくれます。
病院へは脱水症状にならないようにと点滴を受けに週二回通院しました。
その治療を受けたあとはとても元気になって、食欲も出て同居のたくちゃんと追いかけっこをしたりして、遊んでいました。
あやちゃんの毎日
あやちゃんは家に来た時から声が出なくて、いつも何か訴える時には口を開いて「あっ、あっ」という感じで何か言うのです。
そんな時は大抵お腹すいたという訴えで、特に好きだったのがボイルしたささ身でした。
食べる量はほんの少しで細く裂いたささ身をお皿に用意していると、いつも寝ている場所から降りてきて、ゆっくりと歩いて私の顔を見て口を開いて「早くちょうだい」という感じで訴えました。
同居のたくちゃんと二人で一生懸命食べていました。
もちろんあやちゃんは食べるのもゆっくりなので、たくちゃんより時間が掛かり長い時間お皿の前にいましたね。
終わると、またゆっくりと歩いて自分のベッドへ戻っていくのです。
体調がいい時はベランダに出てたくちゃんと一緒に少しだけ歩いて、座るために用意してあるマットの上にペタンと座り、しばらくそうやって外の空気を気持ちよさそうに感じていたようです。
同居のたくちゃんはいつも私と寝ていて、あやちゃんは母と寝ていました。
でも、チョコチョコ私のところに来ては、私の枕に手を掛けて座っているのです。
一緒に寝たいのかなと思い、そのスペースを作ると、あやちゃんはそこで寝るようになりました。
たくちゃんはそれが面白くなかったのか、走り回ってストレス解消運動をするようになりました。
その運動のあとに私のところへ戻ってくると、あやちゃんが寝ているのでまたにゃんにゃんいいながら走る廻るのです。
あやちゃんは、知らんぷりで目を閉じてじっとしています。
そのうちたくちゃんは諦めたのか、私の足元で寝るようになりました。
かわいい顔して結構いい根性しているんですよ。
体毛が立ってくるんです。
触ってみるとツヤツヤとして滑らかになっていました。
普段は艶の無い毛色なのですが、漢方を始めてから何ヶ月位かは忘れましたけど、一時期驚くような毛の変化でした。
その時のあやちゃんは、こうでした。
いつもは元気印の同居猫のたくちゃんがあやちゃんを押さえつけて、あやちゃんはそれに逆らわずにされるがままの状態で遊んでいました。
でも、毛艶のいいあやちゃんは、なんと!たくちゃんを追いかけまわしていたのです! 「あの、あやちゃんが追ってる」と私もびっくりしましたね。
それは嬉しい光景であり、ちょっと笑える光景でもありました。
もしかしたら良くなるかも! そんな期待を持たせてくれる一瞬でもありました。
衰え行く体力
あやちゃんの持つ二つの病気は、やはりそんなに甘いものではありませんでした。
元気なのはほんのつかの間であり、やがて食欲も落ちてきて一日の内トイレの時間と、僅かに残っている食欲があやちゃんの足を動かす唯一の時間になりました。
体重も家に来た時は2,7㎏あったのですが、それが2,5になり2,0になり、1,9 ㎏と2㎏を切るのはとても早くやってきて、口の中には口内炎が出来始め、やがて食餌も摂れなくなっていきました。
喉にも小さなしこりが出来,病院へ連れて行くのもかわいそうなくらいになって、電話で先生に相談しました。
先生はこのままそっとしておいた方がいいでしょうね。
病院へ来ることは負担が大きくストレスも与えるでしょうから。
スポイトで水分を与えてください。
とアドバイスをいただき、様子を見守る事にしました。
でも、猫ちゃんてすごいですね。
トイレは自分の足で! という気持ちがしっかりあってどんなに動くことが大変でもトイレに行こうと体を起こすんです。
私は抱っこして連れて行ってあげましたが、砂の上に体を置くと体力がないあやちゃんは、トイレの縁に肢を掛ける事が難しいので、おしりを砂の上に付けて体は私が支えて用を足しました。
また寝床へと戻るとすぐに目を閉じて眠りに入ります。
あやちゃんとの別れ
その日はそう遠くなく訪れました。
12月の寒い日。北海道の外は雪景色でどこの家でもストーブを焚く日々が続いていました。4月位まではこんな風にストーブの炎が冬を暖かく過ごさせてくれて春を待つ時間になります。
その日のあやちゃんは、なぜか落ち着きがなくフラフラして立つこともままならない状態なのに、寝床をあちこちに変えようとするんです。
テレビの後ろに行ったり。キャットタワーの下に移動したり。
床の上では寒いだろうと連れてきて小さな布団の上に乗せると、すぐに動き出そうと体を持ち上げるのです。
抱き上げてスポイトでお水を飲ませようとしましたが、この日のあやちゃんは絶対に飲もうとしませんでした。
そうして、自分でやっと移動した場所で疲れたように目を閉じしばらくそうしていると、今度はまた動き出そうとするので、トイレに行きたいのかなと思った私は連れて行きました。でも何も出なくて口を開けて何かを言いたい様子だったので、私の部屋で私の寝ているお布団の上に寝かせてあげました。
私はあやちゃんから目を離せずに傍にいました。
今日がもしかすると・・今日が・・・そんな不安が今、目の前にいるあやちゃんの様子から感じずにはいられませんでした。
同居猫のたくちゃんも何かを感じているのか、あやちゃんの傍から離れませんでした。
本当は静かに見守ってあげる事があやちゃんのためにはいいのかもしれないと思いながらも諦めたくない気持ちが湧きだしてきた私は、どうしてもあやちゃんにあの漢方薬を飲んでほしくて・・あれを飲めばもしかすると元気になるかもしれない!そんな藁にもすがるような思いがあり、あやちゃんを抱きかかえて「あやちゃんこれ飲んでみない?元気になるよ」と声を掛けましたが、しっかりと顔を背けた。それがあやちゃんの答えでした。
お布団の上に戻して何分位だったろう?目をあけたまま横になっていたあやちゃんは少し顔を上げ口を開いて「あっ、あっ」と言うように声は出ないけど、何かを訴えたげにいました。
「ん?どうしたあやちゃん?」私は声を掛けました。
その直後でした。少しの苦しみの表情をしたあと、軽く「グッ!」という音を出して・・・あやちゃんは、動かなくなりました・・・。
あやちゃんの名前を呼んでみましたが、もうなにも起こりませんでした。
あやちゃんが夢に
平成17年12月2日 午後4時30分
あやちゃんは1歳3か月で命を終え、天国へと旅立っていきました。
私はあの子の為に何をしたんだろう・・何が出来たんだろう・・
嫌がる事ばかりしてしまった・・・あんなに無理に薬を飲ませなくてもよかったんじゃないか・・・あやちゃんは私のところへ来てよかったのだろうか・・
そんな思いが繰り返し繰り返し押し寄せては私の心に、後悔の渦を作って行きました。
申し訳ない気持ちばかりで、あやちゃんにとってこの家は私はどんな風に記憶として残ったのだろう・・・
幸せを感じたのだろうか・・
ふたつの大きな病気を持ち声が出ず、苦しみばかりの1年3ヶ月だったのではないかな・・
もっと好きなように、たとえもっと早く命の終わりを迎えたとしても、自由に、イヤな薬など飲まずにいた方があやちゃんにとっては幸せだったのかもしれない。そんな思いがいつまでも消えずにいました。
あやちゃんを亡くして一週間過ぎた頃、私は夢を見ました。
会いたいと思っていたあやちゃんの夢です。
そこは暗い海のような場所でした。
一艘の船が浮かんでいて、今その船に乗ろうとしている人がいました。
その人は女性で私を見ていました。
私は少し離れた場所にいるようで、夢の中で私の後ろ姿だけが映っていました。
その人の腕の中に一匹の猫が抱かれていました。
あやちゃんです。
間違いなくそれはあやちゃんでした。
少し小さくなっていたけれど、しっかりと腕の中に居て、そうして私を見ていました。
夢の中の私は会えた喜びを感じ、そうしてあやちゃんを抱いている人は誰だろうと思っていました。
「あやちゃん・・」私は呼ぶのが精いっぱいで言葉が続きませんでした。
どこへ行くんだろう?
あの人は誰だろう?
私はもう一度あやちゃんを呼んでみました。
「あやちゃん」
すると、あやちゃんは私を見て・・「ニャーん」と鳴いたのです。
えっ?!鳴いた?!
声が出なかった、鳴くことも出来なかったあやちゃんが、夢の中で鳴いたのです!
あやちゃんが鳴いた、声が出た・・・・
それは少し高くて、小さくて、きれいな声
あやちゃんが初めて聞かせてくれた声でした。
そうして、あやちゃんは、女性に抱かれひと声鳴いた後、静かに船に乗って行きました。
あの暗い海の向こうには何があるのだろう。
あの暗い海を越えたら、きっと明るいまぶしいあたたかい世界が待っているのかもしれない。
そうであってほしい。きっとそうだ。
そうでなければいけない!
あやちゃんが伝えてくれたキセキ
キセキ・・それは声が出せた事。
そして、私にその声を聞かせてくれた事。
たった一度だけ、夢の中で鳴くことが出来た事。
声が出せるようになったよ。って私に教えてくれたと思っています。
あやちゃんの精いっぱいの私に聞かせてくれた声。
それは、さようなら、だったのかもしれません。
またね、だったのかもしれません。
元気でね、だったのかもしれません。
声出るよ、だったのかもしれません。
でも、なんでもよかった。
夢から覚めた時もあやちゃんの初めて聞く声が鮮明で、忘れられない一声だったのです。
その後もあやちゃんは夢に出てきてくれました。
私がたまにたくちゃんと遊びに出ておいでね、と写真に向かって話しかけると、不思議にその夜に夢の中でたくちゃんと遊んでいるのです。
そうして亡くなってから1ヶ月位過ぎた頃にあやちゃんは夢に出て来てくれました。
それは、少し薄くて向こうが透けて見えるような感じのあやちゃんの姿でした。
私の周りを歩いていて、だんだん薄く透明になっていったのです。
徐々にあやちゃんは消えて行きました。
目を覚ました私はこう感じました。
「あやちゃんは、天国へ行ったね。ちゃんと行けたね」と。
最後まで私に教えに来てくれたんだねと。
まとめ
あやちゃんの話をご紹介しました。
「にゃーん」という言葉の中には、いろんな意味があって猫ちゃんと、飼い主さんにしか分からないものが確かにあると私は感じています。
別れは悲しいものだけれど、そばに居てくれたことはやっぱり貴重な時間で。「ありがとう」と伝えるのがふさわしい気がしています。
私があやちゃんに掛ける言葉は、
あやちゃん、今度生まれて来る時はね、健康な体で、優しい人たちに出会えて、伸び伸びと走り回って、よく遊んでよく食べる、元気な子でいるんだよ。
幸せになるんだよ。
長文を最後まで読んでいただきありがとうございました。