「アニマルポリス」 この言葉はペットと暮らす人達でも、知っているという人と、初めて聞いたという人に分かれるような気がします。
直訳して動物の為の警察の事だろうなぁという事は、想像出来ますが、その仕事の中身や目的、権限などどの程度なのか、そして、なぜこの「アニマルポリス」が必要だと考えられているのかを見ていきたいと思います。
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こんにちは。norikoです。アニマルポリスご存知でしたか?動物達を取り巻く環境が良いとは、とても言えない日本ですが、この職業がもしも定着する日が来れば、今よりも少しは動物たちにやさしい国になれるのでしょうか・・・?
目次
アニマルポリスとは
アニマルポリスとは、動物虐待や飼育放棄に対しての取り締まりを行い、国によっては 逮捕権や捜査権を持つ法的組織です。
住民から、動物の虐待が行われている・虐待現場を見た・飼育をちゃんとやっていない・犬が短い鎖で繋がれていて散歩もしていない様子・食餌も与えられていない様子だ等、動物に関しての通報があると、現場へ行き確認後動物を救出、保護して、虐待をしている場合など逮捕したり、飼育放棄をしていると思われる飼い主への注意・指導も行っています。
それでも飼い主に改善の様子が見られない場合等は、動物の所有権をはく奪することもあります。
動物ファースト、のように感じられますが、動物虐待や、飼育放棄を取り締まる事は、その先に発展しかねない、幼児への虐待や、人への殺傷に及びかねない事態を防ぐという事にも繋がっていると思います。
日本でも、特に異常な犯罪の元には、動物の虐待をしたという事例がいくつもあります。
動物の命を守るということは、人間の命も守り、社会の秩序を保つという事になるのだと思います。
日本は残念ながら動物先進国と比べると、まだまだ発展の途上ですね。
欧米諸国の動物を守るという考えには、遠く及んでいないと感じています。
動物愛護先進国では、虐待やネグレクト(飼育放棄)は罪であるという認識がありますが、日本では特に動物を捨てる行為は罪なのだいう意識がまだ薄い人がいるのが現状ですね。
欧米のアニマルポリス
動物先進国のアニマルポリス事情をご紹介します。
サンフランシスコ
警察の中に動物虐待犯罪を取り締まる専門の部署があります。逮捕・裁判だけではなく、動物の適正飼育の指導も担っています。
また、サンフランシスコのペットショップでは、保護猫・保護犬しか販売できないという法律が出来ています。(2017/2/17)
90%の人がペットは保護施設から迎えるという、うらやましいくらいの動物福祉先進都市ですね。
ロサンゼルス
公的なアニマルポリスがあります。
動物管理局の捜査員で構成されていて、逮捕権・捜査権を持ちペットを守る任務に就いています。
ニューヨーク
ニューヨーク市警で動物虐待の取り締まりや逮捕を行っています。
以前は非営利団体 ASPCA(米国動物虐待防止協会)が取り締まっていましたが、ニューヨーク市警に引き継ぎされ、大規模な警察が執り行う事で保護された動物や、虐待していた逮捕者共に、数字を伸ばしているという。
HSUS(米国動物保護協会)
専門知識や経験から、警察への捜査協力をしています。
また、各地の動物虐待捜査を行う団体を招集し、議会を行う役割も果たしています。
RSPCA(英国王立動物虐待防止協会)には、動物の専門官がいますが、警察の様な逮捕権は持っていません。
アニマルポリスになるには、資格試験が必要で、獣医学・動物に関する法律・救助訓練 に合格しなければいけません。
イギリスのアニマルポリス設立は歴史が古く、今から195年前 (1824年)にもうすでに動物愛護が考えられていました。
その当時は馬や牛は酷使されていて、その結果死亡するという事態になり、ロンドンの貴族が自分で捜査員を雇い動物達を守ったというのが始まりの様です。
動物に関する法律
1822年「家畜の残酷で不適当な使用を禁止する法律」が制定
1876年「動物虐待防止法」、
1911年「動物保護法」
1951年 「ペット動物法」が成立。非常に厳しい罰則と共に動物愛護の基盤として現在も機能しています。
警察官がアニマルポリスとしての活動を行っています。
警官は動物保護についての指導を受け任務に就いています。
動物虐待の通報を受けると、緊急の場合、愛護団体と共に現場へ出向き動物の保護と、虐待者の逮捕を行います。
保護された動物は、保護施設で収容し、そこで新たな飼い主が見つかるまで暮らします。
殺処分のない国なので、生涯その施設で暮らす子もいるそうです。
緊急性がないと判断された場合でも、動物愛護団体が現地へ行き、動物の状態や虐待がどの程度のものなのかを判断して、注意は勿論、その後も視察を行い、これは、動物虐待にあたると判断した場合は、警察が動き飼い主逮捕に至ります。
アニマルポリスは、人気の職業で、アメリカには専門学校や、専門学科があるそうです。
日本の実情は
日本には欧米の様な権限を持つ団体や専門の警察部署はありませんが、兵庫県警にアニマルポリス・ホットライン(動物虐待事案等専用相談電話)が設置されました。(平成26年1月6日から相談に応じています)
● 犬や猫などを殺したり傷つけたりする行為
● 犬や猫などに餌を与えず衰弱させる行為
● 犬や猫などを捨てる行為
などについて動物愛護関連の法令に詳しい警察官が応じます。
最初の一歩として始まりましたが、現実には、電話相談が主なようですので、本格的に全国にアニマルポリスが設置されるまでには、まだまだ時間がかかりそうですね。
アニマルポリス設置にはなにが必要か
まずは法の整備だと思いますが、欧米に倣(なら)うと、それに伴い動物愛護に関する知識・法律・獣医学・救助学などを学ぶ機関や、警察学校での専門科が必要になると思います。
だれでも警察官なら出来るとか、その部署配属されたからという意識や、動物に関する考え方の違いが出ては、救えるものも救えなくなるような気がしますね。
動物虐待は犯罪なんだという事を、まず頭にしっかりと植え付けてもらわなければ、個々の警察官によって判断がばらつくようでは意味がないと思います。
また、警察と同等の権限をもつ団体が出来たとしても、そこに補助金や、保護した動物を預かる施設が必要になりますし、虐待犯と対面する時に自分を守る術も身に付けなければ、危険もあると思います。
民間では限界が訪れるのではないかと思います。
欧米を見ても、かつては、動物保護団体が警察と同等の権限を持って執り行っていたようですが、現在は警察が引き継いでいますし、現実にはやはり警察という事になるのでしょうね。
各地域の動物愛護団体や獣医師との連携も大事な要素です。
簡単に欧米に追い付くことは出来ないのが、今の日本です。
でも、なにもしなければなにも変わりません。
まだまだ現実には遠い事柄であっても、今、必要性に気が付いたら声をあげる事は大事な事だと思います。
最初の一歩は小さくても、やがて未来に動物たちが安心できる日本になれば、決して無駄な声ではないと思うのですが。
まとめ
アニマルポリスは必要だと思います。
動物たちの安全を専門に執り行ってくれる組織が出来たら、虐待が起きたとしても、行動が早くなるだろうし、逮捕の権限でいつまでも野放しにならないかもしれません。
そして、犯罪を犯した者には厳罰が求められます。
そのための法の改正と整備も必要ですね。
動物虐待は犯罪です。
飼育放棄も犯罪です。
その認識を一番持たなければいけないのは、飼い主ですね。
未だに間違った認識で、避妊をしないとか、それはかわいそうだからという理由で飼い続けた結果、多頭飼育が起こり、育てられなくなって、放棄する。その先には、殺処分や、逃げた子達の身に苦しいことが起きたりするのです。
身近にいる私たち飼い主の責任はとても大きいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。