ねこちゃんにも人間と同じように、数多くの病気があります。
適切な治療で完治する病気や、治療法がないという病、本当に様々ですね。
これは、間違いなく生きているという証拠です。
決してぬいぐるみでも、ロボットでもない。
私たちと同じ、痛みも痒みも、苦しみも恐怖も分かる、感じる、血の通っている動物であるという事です。決して「物」ではありませんよね。
🐈
こんにちはnorikoです。
チョッとテーマとは方向が違ってしまいましたけど、今回は猫白血病について知りたいと思います。
目次
猫白血病ウイルス感染症とは
Feline Leukemia Virus infection(猫白血病ウイルス感染症)
これは、猫白血病ウイルスに感染することで様々な症状を引き起こす感染症の事を 猫白血病ウイルス感染症と言います。
猫白血病ウイルスは英文の頭文字をとって、「FeLV」と呼ばれます。
白血病ウイルス(FeLV)に感染した猫の唾液に含まれていて、口や鼻孔などから入り、感染していきます。
感染経路
FeLVに感染している猫との接触から感染してしまいます。
① ケンカによる咬み傷からウイルスの侵入。
② 感染している猫と同じ食器で同じフードを食べた事での感染。唾液を通して。
③ グルーミングの唾液による感染。
④ 母子感染 胎盤や母乳からの感染。
このウイルスは猫の唾液に含まれているために、その子の唾液が付いているフードや、舐めてしまっている容器などを、同居の猫ちゃんがそのまま食べてしまうと、そこから体に入り感染する可能性があります。
母子感染の場合は、無事に生まれてくるのが難しいですし、生まれても育つのが難しく、早い時期に亡くなる可能性が高くなります。
この表のように、年齢に関係しているのは、免疫力の違いからくるもので、幼猫の場合だと自分の力でウイルスを体外に排除することが、出来ないため経過がはやくなります。
成猫の場合だと排除する力があるので、軽い場合は体内からウイルスが消える場合があるからです。
感染齢と感染確率
- 0~6週齢 80~100%
- 8~12週齢 30~50%
- 1歳以上 10~15%
症状とは
以下のような段階と症状があります。
経過 | 症状 |
急性期 | 感染後2~4週間で陽性になり、発熱・リンパ節の腫れ・貧血・白血球や血小板の減少が見られる。 |
回復 | ウイルスが排除され、感染から16週以内に陰性に転嫁される。 |
持続感染 | ウイルスを排除できずに回復しなかった状態。検査で4ヶ月以上陽性の状態が続く事をいう。この場合終生陽性(+)ということになる。 |
持続感染の発症 | 感染から3年以内に死亡するデータもあります。 感染後2年では63% 3年半では83%が死亡するというデータもあります。 悪性腫瘍・血液の病気・免疫の病気・他の感染症などが見られる。 |
猫に見られる症状
- 食欲がない
- 元気がない
- 痩せてきた
- 下痢が続いている
- 発熱がある
- 口内炎がある
- 鼻水が見られる
- のどの下のリンパ節が腫れている
- 貧血気味(鼻が白っぽい)
このような症状が見られたら是非受診をお薦めします。
検査方法
血液検査(抗原検査)を行います。〔抗原・・細菌やウイルスなどの事]
陽性(+)なら感染しているとなります。
陽性の結果が出ても、約1ヵ月後に受けると、陰性(-)になることがあります。
感染後4ヶ月間陽性だと、持続感染ということになり、それから陰性に転じることはなくなります。
ですから、感染後4ヶ月までは陰性になる可能性もあるということになるので、再検査は受けた方がいいと思います。
猫白血病ウイルス感染症の治療とは
治療としては、ウイルスを治したり、撃退するような方法はありません。
対症療法で、感染によって引き起こされた症状についての治療になります。
インターフェロン治療
インターフェロンというのは、ウイルスの攻撃を阻止したり、細胞の増殖を抑える働きをする、タンパク質です。
このタンパク質は、ウイルスに感染した時に細胞が反応することで作られます。
それを薬として体の中に入れ治療します。
薬の投与によってウイルスを弱めたり、猫の免疫を高める効果があります。
抗がん剤治療
リンパ腫が発生した時に抗がん剤を使用します。
症状によっては放射線治療の場合もあります。
抗生物質治療
細菌の感染が著しい場合は、抗生物質を投与する場合があります。
感染の予防法は
✅ ワクチンの接種
ただ、このワクチンは完全なる予防ではなく、感染してしまった場合の症状を抑えるためのものです。
注射の回数は、1回目 → 初回に受ける。 2回目 → 1ヵ月後。となり、その後は年に1回が必要です。
1回の費用は6000円前後
✅ 完全室内飼い
FeLVに感染している猫との接触をさせない事が一番です。
それには、外に出さない事ですね。
もしも複数同居猫がいる場合は、食器やフード・トイレなどを別にしてあげること。
グルーミングでも感染する可能性がありますので、接触をさけるためにケージが必要かもしれませんが、ケンカをしないような子なら一緒の空間でもいいかと思います。
✅ ストレスを与えない
ストレスはどんな場合でも注意ですね。
ストレスを感じると免疫力が低下することがあります。
免疫力が低下すると、そこから病気を呼び起こしますので、ゆったりと過ごすことが大切です。
✅ 同居の猫には検査を
ウイルス検査を受けておく必要があります。
もしも陰性ならワクチンの接種をしましょう。
陽性の場合はワクチンの効果はありませんので、感染前の接種が大事になります。
✅ トイレ・食餌・水は新鮮に
トイレは清潔に保ち、フードやお水は常に新鮮な物をあげてください。
古くなったフードは酸化します。
酸化すると、栄養価が落ちてきます。(長く空気に触れるため)
栄養価が落ちるということは、栄養不足になり、下痢を起こしたり、動脈硬化の原因になります。
感染しているねこちゃんの場合は、他の感染症にかかる可能性もあり、免疫力低下が元で、様々な疾病にかかりやすくなります。
食餌はねこちゃんの楽しみであり、健康維持のための大切な物なので、十分気を使ってもいいと思います。
✅ 定期健診を受ける
定期的に血液検査をして、感染の有無を確認した方が安心ですね。
感染猫ちゃんが居ない、完全に室内飼いだ、という場合でももしかすると、母子感染の可能性も考えられる事なので、検査は受けた方がいいと思います。
✅ 貧血の症状は要注意
もしも喉にしこりを見つけたり、鼻が白っぽいなと感じたり、歯茎が白いなと感じたら、貧血の可能性もあります。
猫白血病ウイルス感染症では、貧血の症状が一番重篤化しやすいので、要注意です。
貧血が死亡の原因になる場合が多いのです。
猫エイズとの違いは
ここまで見ていると、症状や感染経路など、猫エイズと似ていますね。
猫白血病ウイルス感染症 | 猫免疫不全ウイルス感染症 | |
ケンカの咬み傷 | 唾液だけでも感染 | 出血するほどの傷で感染 |
グルーミング・食餌共有 | 唾液が付いていると感染 | 感染の可能性は低い |
感染経路 | 涙・糞尿・唾液・血液 | 血液・唾液 |
寿命 | 感染後2~5年で死亡が多い | 発症しなければ数年生きられる |
特徴 | 免疫力の低下 | 免疫力の低下 |
完治の可能性 | 完治はしない | 完治はしない |
猫白血病ウイルスの方が感染力は強いです。
どちらも完治することのない感染症です。
普段から免疫力を高く保つことが大切ですね。
猫エイズについてはこちらを 👉 https://noriko-05.com/nekofiv/
まとめ
家のあやちゃんは、この猫白血病と、猫エイズの両方に感染していた、ダブルキャリアでした。
獣医さんは母子感染の可能性が高いと言ってました。
迎える子が野良ちゃんでも、譲り受ける子でも予防は大事ですね。
本当に冒頭でも書きましたけど、こんな風に病気にもなる子たちが、「物」であるはずがないんですよね。
「物」とするから法律上扱いもこころないものになってしまうんですよね。
まず、この「物」扱いを正しく「命ある」動物たちとしてほしいものです。
そうすれば、おのずと変わってくる事柄があると思うのですが・・・
最期まで読んでいただきありがとうございました。