メス猫に多い『乳腺腫瘍』を知りましょう

noriko
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こんにちはnorikoです。
今回は乳腺腫瘍を取り上げます。
よろしくお願いします。

家のはなちゃんです

私は3番目の子はなちゃんを2年前にこの乳腺腫瘍という病気で亡くしました。

今月の13日に2回目の命日を迎えたところです。

メス猫に多いというこの病気は命の終わりにも直結する病なので、どんな病気なのか、何が原因なのか、どのような対処法があるのか等 知っておいた方がいいだろうと思い今回取り上げる事にしました。

目次

乳腺腫瘍とはどんな病気なのか


乳腺(お乳を作り分泌する役割を持つ)に腫瘍が出来る病気です。


これには良性と悪性のものがあって、悪性の場合をいわゆる「乳がん」と呼ばれます。
猫の場合良性と悪性の割合は約2:8で、約80~90%近くは悪性の可能性が高いのです。

(犬は約50%程)

悪性の場合は再発の可能性も高く、腫瘍を手術により全摘出してもリンパ節からの転移が起こりやすく完治させるのが非常に難しい病気です。

平均8個の乳房

猫にはオスメス問わずに乳房が平均8個程あります。

ねこちゃんによってはそれ以上ある子もいますし、また8個以下の子もいます。

平均では大体両側に4個づつで全体で8個位ですね。
この乳房の中に腫瘍ができ他の乳房にも転移することが多いのです。

乳房一個だけに腫瘍がという事はあまりなく、悪性腫瘍(ガン)の場合は他の乳房にも転移していると考えた方がいいと思います。

他の乳房への転移の経緯としては、乳腺をつなぐリンパ管というのが通っていてそこからまず違う乳房へガンは転移していきます。

そうしてまたリンパ管を通り乳腺の周りにあるリンパ節へ転移します。

やがてリンパ管の中を流れているリンパ液や血管の中の血液にガンは流れていき、その後肺へと転移していきます。

転移は肺だけとは限らなくて、肝臓や骨等にも可能性はあります。

血液が流れる管は血管で、リンパ液が流れる管をリンパ管といいます。



肺に転移すると末期の状態を迎える事になります。
悪性の可能性が8~9割とかなり高い病気であるため、早期発見早期治療がねこちゃんと一日でも長く居るためにも大切であることが分かります。

また腫瘍が良性だったからといって安心できるものでもありません
中には成長し続ける腫瘍もあるので、慎重に医師との相談の上対処されることをお薦めします。

乳腺腫瘍になる原因とは

乳腺腫瘍を引き起こす原因となるのは、女性ホルモンが影響しているのでないかと言われています。

女性ホルモンの影響か

というのも、発情の前に避妊手術を受けているねこちゃんは、避妊手術をしていない子よりもこの病気を発症する確率はおおよそ1/7になるといいます。

という事は避妊手術は卵巣と子宮の摘出をしますので、手術によってこの卵巣から分泌されるホルモンの量も抑えられるという事になりますね。

この女性ホルモンがガンをさらに大きくする働きがあるので、この点から見ても避妊手術で卵巣の摘出をすることで病気予防にもなるのではないかということになります。

そして、メス猫がかなり多いという点も女性ホルモンが影響していると考えられます。

また、避妊手術を受けていないねこちゃんがこの病気に罹ってしまった場合は、腫瘍摘出と共に避妊の手術を受けた方がガンの成長を抑える意味でも必要だということになります。

(卵巣からのホルモン分泌を抑えるため)

乳腺腫瘍の症状とは

ではこの病気の症状についてですが、腫瘍というものはすぐに大きくなるものではなく年数をかけて徐々に大きくなってきます。
手で触ってみたり、見た目ですぐに分かるという場合はかなり腫瘍が成長しているという事になります。

体の中で腫瘍が出来始めの時には、まず見ただけではわかりません

触診でも、かなり丁寧に「もしかするとあるかもしれない」という疑念を持ちながらの慎重な行動をしない限りは、なかなか皮膚の奥にあるしこりには気が付きにくいと思います。
そしてねこちゃんも普段と変わりがなく元気です。

この段階でもしもしこりかな?と思うような感触があれば念のためにも受診された方がいいと思います。

避妊手術後の猫ちゃん

腫瘍が大きくなってくると見た目にもしこりを確認でき、がん細胞の数もかなり増えているという段階に入ります。

このような状態を目で確認できた時は、周りの乳房も触ってしこりがないか見てほしいと思います。
特に前後の脚の付け根など確認が必要です。硬めのしこりが見つかる可能性が高いです。

この時のねこちゃんの状態はさほど変化もなくいつもと同じように元気です。
ただ、注意点ねこちゃんが自分でこの腫瘍を舐めてしまう事です。

元気はあってもやっぱりお腹に大きなできものがあると気持ち悪いのかもしれません。
ついつい見ていない所で舐めてしまい、猫ちゃんのあのザラザラした舌ですから、盛り上がっている腫瘍を破いてしまう可能性はあります。



腫瘍に対して外からの刺激は腫瘍を悪化させてしまいます
ですから、そうならないように早目の受診が大事です。

ねこちゃんはしこりが少々大きくなっても元気なものです。
食欲も普段と変わらないというのがほとんどですので、猫ちゃんだけを見ての判断は注意が必要だと思います。

体の中で腫瘍が成長しつづけているのが悪性のガンというものですので、早期発見の為にも普段からお腹を触る習慣をつけておくといいですね。

もしもねこちゃんがお腹を触られることを嫌がったりしきりにお腹を舐めていたりと、普段よりも少し長めに毛づくろいの様な仕草をしていたらもしやと疑い見てあげる事が大事だと思います。

ちなみに家のはなちゃんの時は抱っこをした時に、手に触れる小さなデキモノがあって「あれ?なんだろう」と思いコリコリとしたしこりを見つけたのがきっかけでした。

普段から出来る事なので気にかけてみてくださいねっ。

この腫瘍を放って置くとどうなるのか?

腫瘍は大体3㎝を超えた場合生存が難しい状態になります。
さらにこれを放って置いた場合腫瘍の大きさが4~5㎝を超えると腫瘍が皮膚を破って腫瘍の内部から破裂してしまいます。
この状態を「 自壊」といいます。

出典元http://www.andou-vet.com/dictionary/cat8/

自壊の症状は、破裂した腫瘍から膿が出てきて、そこから独特な臭いが発せられるようになります。
ねこちゃんがそれを舐めないように包帯や、お腹に触れないようにするためのエプロン・エリザベスカラーなどを着用して、何度も取り換えを行います。

また、肺への転移も起きてきますので呼吸が苦しくなり、咳が出たり息苦しい様子が出てきます。
腫瘍からの出血もあり、そのために貧血が起きるようになります。

ねこちゃんによっては、食欲もあり、痛みを感じている様子もないという子もいるようですが、自壊による痛みを感じる子もいます。

しかし体力はゆっくりと奪われていきます。
この自壊が始まった場合は半年余りでねこちゃんの命は終わりを告げてしまう事が多いようです。

しこりの見分け方

良性と悪性とを見分ける事に絶対とか100%はありませんが、参考になる事がいくつかあります。

◆ しこりの大きさが1㎝以上あり、何日も立たないうちに大きくなっているようだと感じたらすぐに受診してください。

この時病院へ行くことためらい1日・1日と延ばしてしまうと腫瘍はどんどん成長していきます。

それだけ回復も遅くなり、最悪寿命を縮めてしまうことにもなりますので、上記のような症状がみられたら、すぐに受診をお願いします

検査はどのように行うのか

検査は以下の様な方法があります。

◆ 針で細胞を吸い取り検査する方法(バイオプシー)
◆ 針を刺して腫瘍を切り取り検査する方法
◆ 腫瘍を切除して検査する方法

検査が大事

上記の検査方法は、針を刺して細胞を吸い取る方法は針を刺す場所によって悪性部分を見落とす可能性があります。

ま他、同じ針を用いての腫瘍を切り取る方法も同じように切り取る場所によってガンを見落とす可能性が出てきます。

腫瘍を切除しての検査はガンを見落とす可能性が低く、そこから腫瘍に関しての多くの情報も得られ信頼できる検査と言えるものです。

ただ、検査においては全身麻酔なので猫ちゃんの体には負担が大きいとは思います。

この後はレントゲンで肺への転移がないかどうかを検査します。

病院によってはCTスキャンなどで全身を検査する方法もあります。

治療法

一番効果的な方法は外科手術になります。

病院によっては検査の時に腫瘍を全摘出してしまう場合もあります。
この方法を摂ると前述した検査の段階をパスして一気に腫瘍を取り除くためにねこちゃんに掛かる負担も少なくなります。

手術は腫瘍だけではなく、再発を考えた方法を取ります。
乳房周辺のリンパ節・前後の脚の辺りまでの広い範囲の切除になります。

手術範囲のイメージです

がん細胞を全て取り除くという事は難しいのですが、なるべくがん細胞を体の中に残さないようにするには、広範囲の切除が必要になります。

特に乳腺腫瘍は乳腺に多く再発がみられるために、他の乳房全てと周辺のリンパ節の切除になっていきます。

また、ある条件の元切除の範囲をなるべく小さくするという場合があります。

◆ 腫瘍が良性の場合
◆ ねこちゃんが高齢の場合等です。

良性腫瘍がはっきりしていて、その部分だけを切除すれば元気になれるという場合は広範囲切除はしない事があります。

高齢猫ちゃんの場合もねこちゃんの負担が大きくなるので、避けてほしいと望む飼い主さんもいらっしゃいます。

その場合は飼い主さんの気持ちを尊重した方法を取る獣医さんが多いと言われています。

予防と術後のケア

予防

ねこちゃんをこの病気から守るための方法はやはり、発情前の避妊手術を受ける事ですね。
卵巣摘出することによって女性ホルモンの量を抑える事が必要と思います。

日頃の注意点

食餌は十分配慮したいものです。
特にこの乳腺腫瘍というのは、ホルモンの影響が考えられるために毎日の食餌が大きく関わってきます。

そこで、注意が必要な食品をご紹介します。

乳腺腫瘍を成長させやすい食品

 乳製品 (牛乳)
 糖類
 肉類
 脂質  (油)
 穀物類

上記のものは発がん性があったり、ガンを成長させてしまったりするものです。

乳製品(牛乳)は特に乳腺腫瘍を成長させやすいと言われます。
牛乳の成分の中に女性ホルモンがあるためです。

ホルモンの中のひとつにエストロゲンという女性ホルモンがあります。

このホルモンは乳腺の張りをもたらします。

これによって腫瘍も成長するため乳製品は控える事をお薦めします。

糖類 はガンが成長するために必要な成分です。つまりガンが大きくなるために摂る食品なので、それを敢て与える必要もないですよね。
成長されては困るガンですから、ねこちゃんには摂取を控えるようにしてあげましょう。

肉類 は発がん性があると言われています。ソーセージなどのように加工された食品は与えないようにしてください。

脂質 は与えすぎに注意ですね。
体脂肪が増えると女性ホルモン(エストロゲン)の分泌で腫瘍を成長させることにもなります。

穀物類 は小麦・米・トウモロコシなど炭水化物にあたりますが、摂り過ぎに注意ですね。

肥満はこの病気に限らずともガンのリスクを高める可能性が含まれています。
その要因になるような食品や食材には十分気を配りたいものですね。

摂った方がいい食品

これは高たんぱく低カロリーな食品です。
免疫力を高める事が病気に負けない体を作るために必要な事です。
良質で無添加のフードを選ぶようにしたいですね。

タンパク質も必要ですが、魚の油は質がいいので魚をタンパク源として摂るといいと思います。

緑黄色野菜 は抗がん作用を持っていますのでガンの抑制の為に摂取した方がいいと思います。

キャットフードは無添加・無農薬の物を選んだ方がいいですね。

免疫力を低下させないためです。

参考資料 メディネクス株式会社 犬と猫の乳腺腫瘍より

FIPについてはこちらを 👉https://noriko-05.com/fip-nekodensenseifukumakuen/

まとめ

乳腺腫瘍はメス猫に多く命に係わる怖い病気です。
でも、ねこちゃんの苦しみを少しでも抑える事や、その大切な命を少しでも延ばしてあげられることが出来るのはそばに居る飼い主さんです。

いつもそばに居てくれるねこちゃんだから、そこにいるだけでしあわせをくれるねこちゃんたちだからその命を大切に温かく包んであげていってほしいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


ABOUTこの記事をかいた人

猫のいる風景が大好きなnorikoです。 猫大好きですが現在はみんな天国へ逝ってしまったのでぬいぐるみの猫ちゃん達と暮らしています。